角角ストロガのフ

角田ルミによるゲームプロデュースユニット
「カジノ」の定義を振り返ってみる

「カジノ」の定義を振り返ってみる

そもそも論になるが、「カジノ」とは何なのだろうか?ごく簡単に表現してしまえは「賭博場」だ。「ギャンブル」をする場所である。一部の例外を除き、日本ではギャンブルは刑法によって違法とされている。「一部の例外」と書いたが、実際には日本にもギャンブルはある。例えは、競馬、競輪、オートレース、ボートレース(競艇)といった「公営ギャンブル」、あるいは宝くじ、スポーツ振興くじ(サッカーくじなど)がそれに当たる。

ただし、これらのギャンブルはまさに例外的に認められているにすぎない。しかも、これらの例外的ギャンブルはすべて「公営」、つまり国、もしくは地方自治体が管轄する団体が主催している。これから日本に作ろうとしているカジノは、「民営」を想定している。つまり、民間企業が運営するギャンブル場を作るということだ。もちろん、自由にやっていいということではなく、国の管理の下で行われるのだが、それでもこれまでの「公営ギャンブル」とは一線を画す存在であることは間違いない。

さて、では「カジノ」とは具体的にはどのようなギャンブルをするところなのだろう?決まった定義があるわけではないが、世界のカジノを見る限り、概ね、パターンは決まっている。

カジノの定番といえば「ルーレット」「ブラックシャック」「バカラ」「スロットマシン」だろう。「ルーレット」とは数字が書かれた回転式の円盤を回して、その中にディーラーが球を投げ込み、どの数字のところに球が入るかを予想するギャンブルだ。数字だけでなく、赤か黒か、奇数か偶数か、あるいは複数の数字にまたがって賭けることもできる。それぞれの掛け方に応じて、倍率も変化する。

「ブラックジャック」と「バカラ」はトランプケームだ。「ブラックジャック」はトランプの合計数字を「21」に近づけるゲーム、「バカラ」は「9」に近づけるゲームだ。ここではゲームルールについての詳しい説明はしないが、「ブラックジャック」は自分でプレーするゲーム、「バカラ」はどちらが勝つかを2択で予想するゲームという違いがある。「スロットマシン」はいまではパチンコ店にも「パチスロ」などという名で置いてあるので、知っている人も多いだろう(「パチスロ」とカジノの「スロットマシン」は同じものではないが、大括りに一言えば、「パチスロ」も「スロットマシン」の一種だと一言えるだろう)。

機械にコインを入れてスイッチを押し(あるいは棒状のレバーを引き)、3つの数字や絵が揃うと、揃い方によって決められた倍率のコインが払い戻されるというものだ。機械が相手なので、自分のカではどうにもならす、ほぼ完全に運任せのゲームと言える(「パチスロ」の場合、目で見て当たりのところで止める技術を持っている人もいるそうだが、カジノの「スロットマシン」の場合、それは難しいだろう)。それぞれ、お金を払って「チップ」や「コイン」を購入する(正確には「借りる」)。

これらはいつでもお金に換金することができる。チップやコインがたくさん集まれは、大金を手にすることができるが、なくなったら終わりだ。もっと遊びたければ、新たに買い足さなければならない。

ギャンブルというものは、古今東西、「親」すなわち主催者側が儲かるようにできているので(客が必す負けるという意味ではなく、一時的に大儲けする人が少数いる一方で、負ける人が大多数だという、全体としての勝ち負けという意味だ)、多くの人が、負けるたびにチップやコインを買い足していくことになる。これは「パチンコ」にはまる人たちが取る行動パターンと同じだ。

英語ではこのことを指して「House always wins (店側が必ず勝つ)」と呼ぶが、このようにして収益を上げることで、ギャンブル業界は経営を成り立たせているのだ。

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