角角ストロガのフ

角田ルミによるゲームプロデュースユニット
実践編:奇妙なドロー 前編

実践編:奇妙なドロー 前編

シチュエーション:ニューシャージー州アトランティックシティのボルガータにて。7人のプレイヤーによる、ルーズな、真夜中のノーリミットホールデム。

決断が必要だ。76オフスーツは優れたハンドではないが、私にはポジションがあり、ポットオッズも申し分ない。それに、誰も強みを見せていない。ほぼ全員が参加する「ファミリーポット」ができあがりそうだ。あなたならどうする?

これがトーナメントの中盤あるいは終盤なら、ルーズなリンパー達にレイズしようと本気で考えただろう。しかし、ルーズな「ノーフォールデム(誰も降りない)ホールデム」では、そのプレイは上手くいかない。このハンドの本当の価値は、インプライドオッズとポジションから生まれる。私がフロップで見事なハンドを完成したら、ビッグボットを勝ち取るチャンスがあるだろう。

とはいえ私はリンプインする前、私の後にプレイする左のプレイヤーの次のアクションを考える。彼らのうちの誰かが、私がいままさに考えている「リンパーにレイズ(レイズ・サ・リンパーズ)」をするだろうか?このケースにおいては、そこまでのアグレッション(攻撃性)やスキル(技術)を示してきたプレイヤーはいないから、答えは恐らくノーたろう。しかし、もし1人でもレイズすれは、私はフォールドするつもりだ。

私はボタンから$5をコール。スモールブラインド(SB)が、ブラインドを完成させるために$3を投げ、ビッグプラインド(BB)がチェック。プレイヤーは6人、ポットには$30ある。

―フロップ―

[ポット $30]

これは私にとって危険なフロップである。私は急いで頭の中で計算した。

下側(ローエンド)のストレートドロー
十5人のルーズな相手
十脆弱なフラッシュドロー

私が多額の金を失う完璧な機会

5人のプレイヤーが、私までチェック。べットすべきか、それともチェックすべきか。あなたならどうする?

分かっている。私はこれを危険なフロップたと述べた。しかし、全員が弱みを示しているというのに、ポットを取りにいかない手はないだろう?

フロップで自分にポジションがあり、ドローを持っていて、まだたくさんのプレイヤーが残っている場合、私は大抵チェックをして、たたでターンを見る。しかし、この状況で私は大したドローを持っていない..というか、お世辞にも完成しても嬉しいとは言えないドローをいくつか持っているだけだ。

ます、対戦相手がリンプインしそうなハンドをいくつか考えてみよう。キッカーの弱いエース、ミディアムボケットペア、スーテッドカードあるいはコネクターターンでハートが落ちれはフラッシュになる。しかし、Tかそれ以上のカードを持つ者に、より強いフラッシュを作られてしまう。また、Tが出たら私はストレートになるが、QJやJ7を持つプレイヤーにはより大きなストレートができてしまうのだ。

私が本当に望んでいる唯一のカードは、ハート以外の5である。3枚の「確実な」アウツがターンで私を安心させてくれる確率は6%。誰かがフロップでフラッシュを完成させ、スロープレイをしていて、私がすでにドローイングデッド(逆転不能)であり、あとがない可能性も十分にある。
 

もしポットが欲しいなら、すぐに狙ったほうがいい。ポット額の半分から4分の3をベットすれば、スモールフラッシュやストレートドローでコールするのは「誤り」となる。ここで「誤り」という言葉を引用符に入れたのは、もし誰かが私にどんな手があるか分かっていたとしたら、コールすることが正しくなるたけでなく、私には、もし誰かが私にどんな手があるか分かっていたとしたら、コールすることが正しくなるたけでなく、私にもっとポットにチップを入れさせようとしてくるだろうからだ。だが幸いポーカーは、手札を見せてプレイするわけではない唯一例外となる人物がいる。彼はポーカー界の「味方」である。ケーシー “フロップ” トンプソンは$400/$800のリミットホールデムで、自分の手札をゲーム中ずっと開いたままでプレイする。全てのゲームでだ。皆さんの想像どおり、彼はカジノで大人気だ。

私はポットの半分である$15をベット。BBのみコールし、ほかは皆フォールド。ポットには$60ある。これは、それほどひどい結果とはいえない。テーブルで最低のプレイヤーが、私とポットの間に立ちはだかっているだけなのだから。誰かが私の頭に銃を突きつけ、彼のハンドを推測しろと言うなら、私は彼がA♥と弱いキッカーを持っていると言うだろう。

実践編:奇妙なドロー 後編に続く
 

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