シチュエーション:金曜の夜、ラスベガスのパームスカジノにて。酔っ払った9人のプレイヤーによる、ルーズなノーリミットキャッシュゲーム。
私は参加人数が多いときに、ポケットペアをプレイするのが大好きだ。こではフロップでセット(またはそれ以上)を完成させて、ビッグボットを勝ち取るチャンスを得るか、あるいはフロップで何も当たらずに、スタックに大したダメージを受けることなく逃げるかのどちらかとなる。
アクションは鮮やかな色の花柄シャツを着たシート7の中年男「ハワイ」の番である。この格好は反則になってしかるべきた。これのおかけで気が散ってならない。南国ムードに則ってなのだろうか、彼は、バケッ1杯分はあろうかというほどのピニヤ・コラーダを注文している。彼は$20にレイズした。
その時点での私に与えられたポットオッズは、十分なものではなかった。ポットオッズは約2対1(約3倍)。フロップでセットかそれ以上を完成する確率は、約9分の1程度しかない。しかし、インプライドオッズは申し分ない。もしハワイが何らかのハンドを持っていて、私がセットを完成させたならダブルアップ(持ちチップを倍にする)できる可能性も高い。ハワイのスタックが$1,000あるのは、私にとっては喜はしいことだ。
私はレイズにコール。シート2とシート5も続いた、ポットには$85ある。
―フロップ―
[ポット$85]
マハロ(ありがとう)!そう叫んでフラダンスを踊りたい衝動を抑えた。アメリカのバンド、クール・アンド・サ・ギャングの「セレブレーション」が無意識のうちに頭の中を流れ始めた。ここでは、どうやって相手から最大限のチップ量をひっぱり出すかというのが、鍵となる。べットか、スロープレイか。あなたならどうする?
私は決断を行うためのプロセスとして、このハンドがどのように展開されそうかをイメージした。プリフロップでのオリジナルレイザーであるハワイは、べットしてきそうた。私は彼からいくらかの額を引き出せるたろうことは確信している。しかし、それでは物足りない。真ん中の2人のプレイヤーも同じく罠にかけたい。ハワイが私のすぐ左にいたら、私は恐らくチェックしたたろう。彼にべットをさせ、真ん中の2人がコールすることを望んで。そしてアクションが私に戻ったとき、レイズをして3人とも罠にかけるのだ。しかし今回はハワイが最後のアクション順なので、先に間の2人を罠にかける必要がある。私はここで小さいべットをし、真ん中の1人か2人がコールすることを願い、ハワイがレイズするのを祈った。
私は$20をベット。シート2とシート5がコール。バカめ!計画は完璧に成功した!ポットには$295ある。私がコールするには、もう$130が必要だ。
テレビドラマ『特攻野郎Aチーム』の登場人物「ハンニバル」スミスが、Aチームにこう言ったものだ。「作戦が実を結ぶこの瞬間が大好きだ」と。さて、私はこの競技でコールをするべきか、それとも、リレイズして一撃を加えるべきか。
あなたならどうする?
私はここで、3つの理由からリレイズしたい。
①ハワイのレイズは、恐らく残りの2人を怖がらせ、追い払ってしまうのに十分な額だ。このため、彼らを長く残そうとすることに意味はない。
②ハワイがA♧K♧といったフラッシュドローを持っていたら、喜んで有り金全てをポットに入れてくるたろう。フラッシュドローを持っておらす、ターンでクラブが出たら彼は降りてしまうかもしれない。
③ハワイが、カジノを訪れるアロハシャツを着た観光客がやりがちなように、TT、JJ、QQといったオーバーペアでオーバープレイ(やりすぎなプレイ)をしているならば、ターンでオーバーカードやフラッシュカードが出たら、彼の全てのチップを奪うのは難しいだろう。もしオーバーペアなら、ハワイは直ちにオールインするたろう。
私はリレイズして、彼に溶岩へ飛び込むチャンスを与えることに決めた。
私は$300にリレイズ。シート2とシート5は素早くフォールド。ハワイは躊躇せすオールイン。ルア(宴)ウの時間だ!私があまりにも勢いよくチップをテーブルの中央に押しやったものたから、フェルトに跡が残るほどたった。相手はやや呆然としながら、オーバーペアであるポケットクイーンを開いた。彼のドローはわすか2アウツである。ターンとリバーは無難にK♧とJ♧。私は両手でポットをかき集めた。
「あんたをフラッシュドローたと睨んでいたんたが」。ハワイは最後の酒を飲み干し、チェリーをかき出している。
思い返せば、フロップで動いておいたのが良かった。もし、オールインをターンでやっていれは、コールされなかったかもしれない。ビッグフィッシュから勝ち取った$1,000に比べると、追加の$40は小さく見える。しかし、フロップでチェックしていたら取れなかったに違いない。その$40は、アントニオ “ミスター・ボトルサービス” エスファンディアリと数時間後にゴーストバーで落ち合うときに重宝するたろう。
私は彼と30回は出かけているが、毎回少なくとも$500は使う羽目になっている。アントニオはテーブルでもテーブルの外でも、バンクロール破壊マシーンなのだ。